◆2007/03/31  土屋ギン

・オープニング

「やつれたなあ」
「ついておいでイヅル」
お馴染みのシーンですね。
オープニングのダイジェストで行われるやり取りに続き、イヅルの困惑した歌詞の歌、そして。

「飴を無くして変わり果てた蝶 蜜に溺れたら可哀想やなあ」

『もう一つの地上』の三番隊隊長パートとリンクさせてる歌詞が実に妖しい。
最初の「飴」がちょっと聞き取りに自信ない。
「飴」で合ってるとしたら、飴と鞭、前者の比重大目にしてイヅルを躾けてたんだろーかとちょっと考えてみた。


・オープニングテーマソング後半・修兵に続き二回目の「揺れる尸魂界」担当

ワンフレーズごと会場に向けた決めポーズ変えながらのギンの怖カッコよさがたまらん。


・一護VS白哉戦開始とともに

「揺れる尸魂界 本当にあいつか?」を歌っている時のギンの微笑の怖さハンパない。
っていうかお前が歌うべき歌詞なのか!と突っ込みたい(笑)
これ(騒乱の真の原因が一護かどうか、疑問を投げかける歌詞)を歌うひとの中でただ一人真相を知っている人物がギン。
そこを再確認しながら、あの微笑眺めてるとほんっと怖いです。


・「いらっしゃい……雛森、ちゃん」

切れ切れの高めの声最強。
雛森が銀色の悪魔振り返って一幕の幕が下りた時、初日は「えええええ( ̄□ ̄;)!!」という客席からの総突っ込みが上がった。
その後、他の日は拍手が起こったが、初日の正直な反応が個人的にはビッグバンインパクト。


・「セイジョウトウキョリン」

何回この台詞聞いても漢字が浮かばなかったので、家でコミックス調べてみました。
「清浄塔居林」なんですね、なるほど。


・「今迄ここへ来たことは?雛森ちゃん」

当然ここに来た経験の無い雛森に、絶対的な地位の差を暗に見せ付けているように感じました。
雛森は気付いてないけど。ギンも気付かせる気はないけど。
さあ、ここからが真の女房役、市丸"副"隊長の本領発揮です。
男の嫉妬は怖いぜ!(笑)ああ、嫉妬ですら無いのか。

「……逢わせたい人おんねん」
「そうや。ほれ、見てみ。後ろ」
語尾が甘ったるく高く上がる声のゆったりした怖さ。ぞわぞわしながら聞いてました。


・藍桃の再会シーン

藍染が上段から階段をゆっくり三段ほど下りてきたタイミングで、舞台の中心から壁(を表すセット)へギン移動。
藍桃がひっついたところで、彼らに順々に淡い色合いの照明が降り注ぐ。
薄いピンク、水色、そして柔らかい黄色。(この中の一色は歌詞に合わせて途中から追加された筈。何色だったか)
対して、ギンがいるのは照明の当たらない薄暗い場所。
この対比の凄さ。
半泣きで幸せオーラ纏いながら藍染に縋りつく桃を、壁に寄りかかりながら横目で見るギン。
もう、桃が「生きている、生きている、それだけで」と嬉しそうに歌う甘い歌声聴きつつギンを見ると、思わず胸の辺りに根が張ったような重苦しい感情が。
自分こそが藍染の右腕って自信と自覚を「今迄ここへ来たことは?」の台詞の中に勝手に汲み取ってしまったので、なんだか胸が痛い。
たぶん嫉妬じゃないけど、なんて表現したらいいかわからない負の感情が透ける。
うおおライト当たってないのにあの目線の演技ほんと怖い。

桃の「これは幻じゃない」という歌詞は確か二回あって、その二回目でギンが目線を上に向ける。
天井。誰もいない場所。
二回目の「これは幻じゃない」っていうのは、藍染が雛森を後ろから抱くように抱えるシーンで、もう雛森は幸せいっぱいのシーンだ。
そして地獄へ突き落とされる寸前のシーンだ。
意図的に視線から外したのが、幸せいっぱいのシーンだったのか、地獄に落とされるシーンだったのか、どちらだったのか。
優しい藍染隊長の40年を掛けた芝居くささにいい加減飽きたのかとも思ったが(笑)
とりあえず刺したシーンとかもギンは藍桃の二人を見ないんだよな。
その後、藍染から声が掛かるまで上を見たまま。

「行くぞ、ギン」

この台詞が掛かって初めて、ギンは視線を動かす。
「はい、藍染隊長」
嬉しそう過ぎだよ、この台詞!(笑)
微笑じゃなくて笑顔だったよ!しかも会場に向けて。自慢!?
まあやっと右腕・女房役として腕を振るえるからね、嬉しいのかもしれんね。


・そんなアバンチュール密会にまず日番谷登場

「市丸ゥ!」の声にぴたりと足の止まったギンの空気が怖いよ!
「すんません、イヅルの引き付けが甘かったみたいですわ」の釈明が実にドルチェな声。
どうしたのギン。女房役を全開で行くことにしたのか。
思わずアニメ版はどうだっけと後で遊佐さんの演技にチェック入れること決意するくらいには甘かった。
甘かった、というよりは正確には甘えた声音に聞こえてしまった。本当にどうしたのギン!


・雛森の居場所をはぐらかす藍染と、無言で日番谷に瀕死の雛森の位置を教えるギン

実に微細な角度でギンが首と目線を傾ける。
わかりにくいほどの小さな動き。
斜め下に流したその視線で、ほんの一瞬だけ床に倒れた雛森の位置・状況を日番谷に伝える。
日番谷が吸い寄せられるようにその視線に従って、雛森を認識して血相を変えた後、何事も無かったかのように最初の姿勢に戻っているギン。
顔が満足そう。ていうかご機嫌さん。
右腕カミングアウト後は本当に純粋に楽しそうだぜ。
いや、ドス黒いオーラは背負ったままなんだけど。


・「私が隊長になってからただの一度も、彼以外を副隊長だと思ったことはない」

藍染の台詞を聞いた後、拳骨一つ分だろうか、一度首を上げて元に戻すギン。
まあこれは最大級の賛辞だよね。副隊長としてのね。
本気で信奉……というのは正しくないか、忠誠誓ってる部下としては最高の褒め言葉だよね。
あの首を動かす仕草で、この褒め言葉をなんというか「味わってる」ギンに気付いた時には仰け反りました。
どんだけ藍染に忠実な部下なんだお前は、と。
それって純愛!?それって何なの!?
なんて名前の感情?なんて名前の絆なの?
台詞なし・動きも殆どないシーンであの空気作った土屋さん凄いよ。

今回乱菊さんが欠場なので、土屋さんがパンフで「乱菊がいない分、ギンのやりどころ・居所を探す」と発言。
こういうことなのか。
乱菊がいるからこそ、飄々としたギンになるんだよな。
彼女に心を残しているような態度や発言をしながら、藍染の右腕だからこそ謎の男っぽいというか、考えが読めないというか。
まさか乱菊がいないというだけで、イヅルに引けを取らない忠誠心の男になるとは思いもしなかったよ。


・「憧れは理解から最も遠い感情だよ」

似たような首の動きで、藍染に同意してみせるのですが。
後半の公演見る頃には、この台詞への同意には、つまり、憧れじゃない泥臭いバックグラウンドがあるのかと思うと、悶えるくらいに萌えた。
綺麗な部分じゃなく汚いところ全部知ってて従ってる、っていう絶対的な自信。
やっぱり自慢と自信に近い感情に見える、あのギンの威圧は。重苦しくて、だるいくらい甘い。


・「卍解、大紅蓮氷輪丸!!」

だーくおぶざぶりーでぃんぐむーんの時と同じく、勢いよくスモークを噴出させる演出。
これを背中からかわすようにひらりと避けるギン。
藍染さんは思いっきり直撃してたので、うあっ自分だけ避けたよギン!と心中で突っ込み(笑)


・鏡花水月の説明時には、段一つ上の藍染を見てちゃんと説明聞いてるギン


・卯ノ花さんの邪魔に対して、「最後に褒めておこうか」の部分も僅かに首を上げて藍染に同意するギン


・雨が降る効果音の中、恋次とルキアの前に現れる藍染一味

藍染が少しずつ段下がってくのに合わせてギンと要が付き従うようについてくのが可愛い。
と、最初思ったのは、初日が舞台から遠い席だったからのようだ。
うっかり舞台に近めの席、さらに上手側なんか座ってしまうと、さあ大変。
高所から悪の隊長格三人が恋次を見下ろす視線が客席まで突き刺さって、超怖い怖い。


・雨降る双極の丘に主人公様登場

そして軽やかに歌い出す一護。
歌い終わると「ひゅう」とか何とか甲高い声をギンが発して、その後「すんません。手ェ出したらあかん思て、あの子が横通るん無視しました」発言。
事実、一護が来る時、ギンはそっち側向いて微細なアクションしてます。
要は一護が歌っている最中に、抜刀しようとするのですが、それをギンが別にええて、という感じで目で制止。
コミックスだと「あの子が横通るん無視しました」は、一護と恋次がぎゃーぎゃー騒いでるとこなので二人は聞いてないのですが、舞台版だと全員の視線が高所のギンに集まっててちょっと面白かった。
あの「ひゅう」ってのは冷やかしなのか。一護のご高説に対する。


・「そうや。君が侵入してくることはわかってたんや」

本来は藍染の台詞。
しかし超々長台詞のため、脚本的な問題なのか、ここから暫くギンが説明を担当。
「彼の作る穿界門で侵入できるのは西流魂街だけや」までが担当部分。
その後は要が担当して、再び藍染にバトンパス。
脚本的に見れば動きのないギンと要に、位置移動のきっかけを与える台詞。
そういう見方を捨ててキャラクター的に見ると、ああ思わず喋ってしまうほど、あの二人は暇だったんだなと思えなくもない(笑)


・藍染が崩玉を手に入れた瞬間、後ろに移動して舞台メインを崩玉with藍染に譲る、ギンと要


・「射殺せ『神槍』」でルキア仕留めそこなうギン

当然邪魔するの兄様なわけですが、微妙にチッて感じに見えたぞギン(笑)
軽くイラっとしたように見えなくもなかった。つまらなさそうというか。
「しゃあないなァ」といいながら、さくさく位置移動して結構ノリノリだったし。
ルキアに関してはかなり攻撃的だと思いますギン。これは舞台版だけの話じゃないが。
よく考えると藍染はルキアだけ自分の刀で殺そうとしてないのはなんでなんだろうな。


・兄様にガン飛ばすのに集中して砕蜂に捕らえられたギン


・反膜の光で空中に浮くのを実現してみせた藍染一味
とりあえず一端腰から神槍外して、安全ベルト閉める手早さに萌えるのは間違ってると自認しつつ萌え(笑)
台詞は「さいなら」のみ。
乱菊がいないので、変に捏造するよりよほど英断。
吊り上げられる時、最初は隊員たちを見下ろしていますが、ほとんど天井近くになった後は上しか見ません、ギン。


ここでギンの本編中の出番は終わり。
カーテンコールは藍染さんと。
次にショータイム。


・『SOUL'S SHOUT』
「静寂が行く手を阻むけど」の時は立ち位置が藍染と離れているので、ライヴの時みたいに寄り添ったりはしない。
その代わり、ダンスを止めて、藍染・要と共に静止したまま歌を歌います。
(他のひとはダンス続行)


・『もう一つの地上〜春絢爛〜』

客席降り有。
日本青年館では右から二本目の通路の先頭を担当。
サビは割合後方を見ながら歌ってます。

三番隊副官パートは最後のイヅルの振り付けが変化したのに合わせて、ガン飛ばす、という程ではないが、かなり強い視線でイヅルと見詰め合う対峙を見せます。

五番隊隊長パートの時、客席に背中向けてるようでいて、微妙に肩から振り返って藍染の歌聴いてるポーズに見えます。

で、五番隊副官パートの時は、わざわざ完全に背中を向けます。
高所にいるギンはこの時移動が終わった桃の真上。
高さを無視すれば、客席に向けて歌っている桃と背中合わせ。心憎い。

驚愕したのは十番隊隊長パート。
「誰かを守るための戦い」の歌詞のところで、藍染と同じタイミング・同じ振り付けで、軽く後ろ(客席側)を振り返るような仕草をしてみせるのですが、 この動きをすると、微妙に藍染を見ているような体勢になります。
そうですか、守るべき誰かは藍染さんなんですか……!と思わず呆然としました。
そりゃそうなんだけど、日番谷パートでまでこんな振り付けすると思わなかったのさ!

サビはやっぱり藍染と動きを合わせた振り付けでした。忠誠心の厚さに感服です。


・直前の「置いていかれた」側のイヅルと対比するように、「置いていった」側の描写。

「あの子、大丈夫やろか」と実にふわふわした感じの物言いでイヅルを心配してみせるギン。
(千秋楽夜はイヅルの誕生日だったため、その後に「お誕生日やのに」とアドリブが追加)
「そんなこと思ってもいないだろう」と斬って捨てる要(ってことは要は修兵を全く気にしていないのか( ̄□ ̄;)!?)に、 「さあ、どうですやろ」とさらりとかわしてみせるギン。
要「憧れは理解からは最も遠い感情、か」
この呟きの後に、「藍染さんは、裏切らんといてくださいね?」とか言い出すみゅじかるギンって凄いな!
藍染さんはこれに対して無言の微笑で返答。
それを肯定と取らず、はぐらかしと認識した上で笑って「ひゃあ、やっぱり怖いわあ、このひと」って言えるギンってさらに凄いな!
え!?確かに怒るようなキャラじゃないけどそれ許容しちゃっていいの?
「やっぱり」で納得しちゃってるぜギン。
そんな冗談もやり取りできるような絆ってことか。
うわっほんとに怖いなこのひとたち。
とりあえず「このひと」の言い方がハンパなく甘いので必聴。


・『新曲・エタニティ(勝手に仮称)』

「やっぱり怖いわあ、このひと」から曲掛かっちゃったーー!!と初見時は激しいショックに襲われた一曲。
そのショックから復活できないままに、ギンと要がきびきびと踊り狂う。
なんだろう、曲は妖しげな「なんちゃってアラブ風」?
これがまたほんと妖しげなんだ。
ほとんど動かないで朗々と歌う藍染様の周りで寵姫二人が踊ってるぜって感じで(笑)
ハーレムの王様かと見紛うばかりの侍らしっぷり!
そんだけひらひら踊ってくれます。
うっかり藍染様の眼前で腰落として踊るギンには悶えました。
カッコイイんだか色っぽいんだか……! ギン、あんた一体どこへ行きたいの( ̄□ ̄;)!!

「見せ掛けの愛(ラヴ)、カタルシスもエタニティ」
「突き放す愛(ラヴ)、カタルシスもエタニティ」
藍染一味の三人で歌う歌詞だと考えると、藍桃なのギンイヅなのそれとも九番隊的なアレなのかと問うてみたい。
むしろぶっちゃけ藍ギンなのかと尋ねてみたい。直前のコントがわさびのように利いている。

片手で顔をオペラ座の怪人の仮面の如く隠しながら歌う曲なのですが、その片目だけの強さでも怖い怖い。
踊ってる時真顔だったり、酷薄な微笑かざしてたりで、ほんともうこの曲でおなかいっぱいです。
ギンの流麗かつ機敏なダンス+怖さのある表情が堪能できます。

一番ツボだったのは「無関心がイイ」って歌詞の後に藍染がギン・要を見て、それに返す二人のダンスの動き。
なんて形容したらよいのかわかりませんが、腰を落としながらゆっくり指を藍染の方向に伸ばす、勿論視線は王様ガン見。
この時のギンは絶対に見逃したくなかった。あの鋭い視線にえらい高揚させていただいた。

曲が終わった後、軽く緊張感のある鋭い眼差しを要と交し合って、藍染に続いて退場。


・ライヴでも歌った最後の曲

主人公様とハモる「背負った記憶も」を担当するのは同じ。ただし今回は要も一緒に。
あと、ギンというよりは中のひと寄りな話になるんだろうが、ラストで一列に並ぶ時、隣に並ぶ学さん虐め過ぎ(笑)
ほんとに毎ッ回、歌ってる学さんに、同じく歌いながら首傾げて「どうかなぁ」みたいな顔してました。
時によっては、「ひげ」と指をくるーと顔の前で円を描いてからかったり。


・カーテンコール二回目とアンコール曲『BLEACH』
主人公をみんなで一斉に手を広げてお迎えする時は、隣のシロちゃんとじゃれてらっしゃいました。
日番谷隊長がギンの手をかわしたり、時にはぶつけてみたり。


雑記ログへ。